株式会社モアソビで法人化する以前は、個人事業主からスタートしたそうですね。
永井:
当初は個人事業主を選択して、広告企画からCM制作、オウンドメディアの編集や記事の執筆、ゲーム・アニメ関連のプロデュースなど、私の関心領域に応じて活動の幅を広げていきました。
基本的に何でも興味を持てるタイプで、つまらない仕事をどう面白くしようかと考えることが好きなんです(笑)。多様な仕事に関われているのは、そういった姿勢があってのことかもしれません。
さまざまな事業や活動の中でも、学生時代の思い出の場所・古町と永井さんを結び付けた「古町夜市」は特に注目を集めました。「古町夜市」の構想はどのようにして生まれたのでしょうか?
永井:
古町夜市の会場でもあった西堀ローサは、私が中学生の頃はアパレルショップが立ち並び、妖艶な雰囲気を持つ場所だったなぁと(笑)。昔に比べて活気はなくなりましたが、この独特の雰囲気は残っていました。この独特な空間に面白さを感じたこともあり、そこでイベントができないかとXで発信したら、高校の同級生から「面白そうだから、ぜひやってみよう」と。西堀ローサを管理する地下開発さんに提案し、2022年12月、ようやく第1回の開催にこぎつけました。
初めて「古町夜市」を開催してみての感想は。
永井:
その日は大雪の予報で、不要不急の外出を控えるように喚起されていた日でしたが、無事に開催できました。初回は6店舗ほどのカレー店が集まるイベントとしてスタートしましたが、その後は飲食店の出店形態も多様化し、空間づくりにも工夫を重ねていきました。
当初はクラブミュージック寄りの演出を考えていましたが、出展者からの声を受けて、シティポップ調の落ち着いた雰囲気に転換しています。飲食とエンターテインメントの共存という点で、大きな転機となりました。
最近ではプロのジャズミュージシャンによる生演奏や、流しのパフォーマンスなども開催され、お昼から19時までという時間設定も、試行錯誤の末に見出した最適解でした。特徴的だったのはリピーターの存在です。毎回参加される方々が新しい層を呼び込むような存在になって、コミュニティが自然と形成されていくように感じました。