佐藤さんは、県内の規格外の農産物を使った商品づくりを展開されています。どのようなきっかけで料理に興味をもちましたか?
佐藤:
子どもの頃から生き物や自然が大好きで、本当は獣医になりたかったのですが、動物アレルギーで断念しました。料理との出会いは意外なことに、家で飼っていたニワトリのエサづくりです(笑)。小学生の時、ニワトリの餌用に野菜を刻むうちに包丁の使い方が上達しました。学校の家庭科でその包丁さばきを褒められたことがきっかけで料理が好きになっていきました。
料理人を目指して調理師専門学校に進み、卒業後は銀座の「KIHACHI(キハチ)」に就職して魚料理とデザート部門を担当しました。24歳の時に新潟へ移住して、結婚式場でパティシエとして働き始めました。東京で働いていた頃よりはゆっくりしたいと思っていましたが、予想以上に忙しい日々でした。
その後、体調を崩されたとお聞きしました。
佐藤:
そうなんです。約6年勤めた後、激務が続いたせいか持病だったアトピー性皮膚炎が悪化してしまい、退職せざるを得なくなりました。その時は、アトピーの炎症を抑える効果が強いといわれるステロイド外用薬に頼ることのない「脱ステロイド」という選択をして、食事で体質改善する「食養内科」がある医療機関に入院しました。そこでは日本人の昔ながらの食生活を基本とした食事療法を行われていたんですが、食べることの根本的な大切さを学ぶことができました。今の活動は、この時の経験が少なからず活きています。